年齢/職業(撮影時):
24歳/会社員(出版関係)
Pickup Voice:
「高橋の10年の過程が自分に重なりましたね」
おすすめの一冊:
『リアル』
著者/出版社:
井上 雄彦/集英社
この本を贈るなら誰に贈る?:
壁にブチ当たってる人
編集後記:
『この本に救われました』
爽やかな笑顔で「漫画でもいいですか?他のも持ってきたんだですけど?」といいながら、「心に残っている方でお願いしたいです」というと、嬉しそうにこの作品を持って撮影された男性。
「REAL」は車いすバスケットボールを舞台に、3名の登場人物が中心となって現実に起こる困難と闘っていく物語です。
作者はあのスラムダンクでバスケット漫画の金字塔を打ち立てた井上雄彦さん。
2001年に第5回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した作品です。
そしてこの作品と出会ったのは、高校2年の時に、ずっと続けていたスポーツを止める事になった病気のために行った病院の待合室との事でした。
やっていたスポーツはバスケではなかったのですが、本気で打ち込んでいたものを止めなければならなくなった時、とても大きな挫折感を味わったそう。しかしそんな時にこの作品に出会い、やり場のない感情が重なっていったとの事でした。
「戸川、野宮、高橋って3人の中心人物がいるんですが、高橋の10年の過程が自分に重なりましたね」
高橋は交通事故により下半身不随になるが、それをなかなか受け入れることができず、人と衝突しながら少しずつ自分を変え、車イスバスケに自分の新しい道を見出そうとする人物。「この本に救われました」という一言にとても重みがありました。
今でも自信をなくした時や落ち込んだ時に、原点として自分に向き合うために読むというこの作品。
実はお父さんもこの魅了にハマり、共通の話題を通してお父さんとのコミュニケーションも豊かになったそうです。
Interview text by Makoto Ebi
リアル コミック 1-14巻セット (ヤングジャンプコミックス)
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