年齢/職業(撮影時):
36歳/看護師
Pickup Voice:
「生命の誕生から生命の亡くなる時って、真逆の所ではあるんですが、原点は一緒なのかなって。」
おすすめの一冊:
『コウノドリ』
著者/出版社:
鈴ノ木 ユウ/講談社
この本を贈るなら誰に贈る?:
これから出産を迎える友人
編集後記:
『人生の始まりと終わり』
当日ふと立ち寄った本屋で、KUJIRA BOOKSが撮影しているのをたまたま見かけ、
その場で興味をお持ちいただき参加してくださった女性。
「今ここで購入しました」という一冊は、ドラマでも話題の『コウノドリ』でした。
しかしこの本との出会いはTV化される前との事。
ご職業に「看護師」の記載があったので「ひょっとすると、(コウノドリと)同じ出産関係のお仕事をされていたのですか?」と尋ねると、
震災前の10年ほど福島の産婦人科で看護師をされていたそうで、しかし地盤沈下などの影響で病院が閉鎖され、今は老人ホームでお仕事をされているとの事でした。
様々なリスクの患者さんと先生とのやりとりを中心に進むストーリーに胸をうたれながら、
過去同じ仕事をしていた自分と重なる部分も多く、今の仕事をしている自分が壁にぶつかった時に、
昔の事を思いだしながら「がんばろう」「こういう事やってみようか」などの「助け」を貰えたというこの作品。
出産に関するリスクや症状などもとても分かりやすく、これから出産される方にもおすすめだそう。
いろいろお話しを聞いていく中でふと浮かんだ「もう出産の現場には戻られないんですか?」という疑問。しかし次の言葉を聞いた時、その疑問が消えるとともに、なぜこの作品を「心に残る一冊」としてお持ちいただいのかが合点がいった気がしました。
「高齢の方も年を重ねると、だんだん子供に帰っていくというか… 基本一緒なのかなって最近思うようになって。生命の誕生から生命の亡くなっていく時って、真逆の所ではあるんですが、それもそれで原点は一緒なのかなって。形は違いますけどそういう事を見ていく中で、同じような気持になって仕事をしているので、今婦人科のお話しをいただいても、多分私はこのまま高齢者の施設で働いていきたいなって思います。」
今でも心の原動力として、たまに読み返すという『コウノドリ』。
先日もドラマでこの作品を知ったという職場の方に貸されたそうです。
これから出産を迎える方はもちろん、男性にも読んでいただきたいというこの作品。
「お産は簡単なことじゃないんです」「出産するのは女性ですけど、一緒に出産するっていう気持ちで生まれてくる子供を迎えられるといいかなって」という言葉が印象的でした。
人生の始まりと終わりの現場知る方の心に残る一冊。
医療現場の現状というより、患者の背景に迫るようなストーリーがより身近に感じられるとの事で、ドラマもそうですが、本として読んでみたくなりました。
Interview text by Makoto Ebi
コウノドリ(1) (モーニング KC)
男性にもぜひ。 |