年齢/職業(撮影時):
38歳/医師+学生(アートマネジメント)
Pickup Voice:
「(分人の)最適な人数は人によって違ってていいんだよ、って。」
おすすめの一冊:
『かたちだけの愛』
著者/出版社:
平野 啓一郎/中央公論新社
この本を贈るなら誰に贈る?:
三島由紀夫
編集後記:
『いろいろな自分がいてもいい』
お医者さんでありながら、好きな現代アートに関わるためにもう一度、大学院に行かれているという女性。
3年程前に出会ったという本書の内容と、その根底に流れる「分人」の話しを聞けば聞くほど、とても反語的なタイトルだと思えてきました。
ストーリーをお伺いすると、事故で片足を失った女優のために、世界一の義足を作ろうとするデザイナーとの愛の形の物語との事。
ご自身が医療に携わっている事もあり、義足に機能を求めるのは当たり前なのですが、世界一の美しさを求める事にも衝撃を受けたそうです。
そしてその根底に流れるのは「分人」という概念。その概念で愛を捉え直していく物語...自分が何かやりたい事に対して「好きな事は好きでいい」という勇気をもらった事など、お話しを伺っていくうちにどんどん読みたくなってきました。
いつ読んでもいいというこの一冊、「全く同じ状態の本がもう一冊あったら誰に贈りますか?」という質問には、「亡くなる前の三島由紀夫さんに」とのお応え。
もし読んでいたら一体どうなっていたのでしょう??想像が膨らむばかりです。
Interview text by Makoto Ebi
かたちだけの愛 (中公文庫)
『決壊』『ドーン』に続く三部作。 |