年齢/職業(撮影時):
28歳/サラリーマン
Pickup Voice:
「屋号をつけるのに迷って、ここの詩からつけました」
おすすめの一冊:
『深呼吸の必要』
著者/出版社:
長田 弘 (著)/晶文社
この本を贈るなら誰に贈る?:
妹
編集後記:
『ときには、立ちどまって』
黄色地に水色と朱色がよく映えて。その装幀が目に入ると、思わず足を止めずにはいられません。彼も立ちどまって、本を手にしてしまった1人。ずっと行ってみたくて、はるばる足を運んだ新潟の書店での出会いだったそう。ページをめくると、深い緑色の優しい文字、余白のバランスまでもが彼の心を捉え、もう購入せずにはいられませんでした。
著者の長田さんが、立ちどまって、黙って、言葉を深呼吸して生み出したこの詩集は、彼の心にも深呼吸する余裕をもたらしてくれました。ひと息ついたら、今度は他の人にもその気持ちの余白をプレゼントしたくなりました。看護師として、息つく暇もなく日々働いている妹さんに、この本を贈りたい。そう話す彼の穏やかさは、深呼吸することができた人だけが持てるものなのでしょうか。
深い思いを、誰の心にもすっと落ちる言葉で綴ってきた長田弘さんは今年、惜しくも亡くなられてしまいました。彼のように長田さんの言葉を受け止めることができた人が、次の人に伝えて、つなげていけたとしたら。心に余白を持てる人が、増えていくのかもしれません。
Interview text by Yui Shimura
深呼吸の必要
言葉の贈りものって、いいね。 |