年齢/職業(撮影時):
28歳/会社員
Pickup Voice:
「自分は何ができるのかを意識するようになりましたね」
おすすめの一冊:
『夜と霧』
著者/出版社:
ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳)/みすず書房
この本を贈るなら誰に贈る?:
「生きるって何だろう?」と思っている人全て。
編集後記:
『この人生、あなたは何ができますか』
学生時代に乗船していたピースボートで知り合った友人に勧められたという1冊。普段はビジネス書や新書など、仕事に直結する本を読むことが多いという彼女が選んだのは、ユダヤ人精神分析学者が、自身のアウシュビッツ強制収容所での体験をもとに綴った「夜と霧」でした。「この本を一言で表すと?」という問いに、彼女は「別次元」と答えます。「強制収容所という過酷な環境で、おかしくなっちゃう人も、死んでしまう人もいる中、最後まで自分らしくいられる人もいる。そういった人間の本質を、著者が冷静に描いているのが興味深いし、著者自身の『これを書くために生きなきゃ』という精神力の強さがすごい」。そう語る彼女も、しっかりと自分の次元から、冷静に人間や自分自身を観察しているようで、そのまっすぐな視線がとても印象的でした。その力強い瞳に見つめられた私の口からは、「今度、読んでみます」という言葉が自然と飛び出していました。
何か新しいことをしたい、やらなきゃ、と思ったときにこの本に戻ってくるといいます。「自分の人生、何のために生きてるんだろうって、考えることもあると思います。でも実は人生の方から、この人生を通じてあなたは何ができるんですかって問われているんです」。そんな著者のメッセージに出会ってから、この世での自分の使命を考えるようになったそう。ほんの10分ほどの会話を終える頃には、彼女は出会うべくしてこの本と出会ったのだなという、確信めいたものを感じていました。
Interview text by Yui Shimura
夜と霧 新版
夜中に1人で読んでみたいです。 |